<PlayList #59> 2022.3.4 今週聴いて欲しい10曲

2022年3月第1週
今週の10曲プレイリストはこちら!


1.低い飛行機 / みらん 
2.Hybrid / アナログフィッシュ 
3.心のなかの悪魔 / くるり 
4.叫べ / RADWIMPS 
5.オレたちのすすむ道を悲しみで閉ざさないで / サンボマスター 
6.戦争はおわりにしよう / SEVENTEEN AGAiN 
7.今日の歌 / カネヨリマサル 
8.満月に吠えろ / チャットモンチー 
9.チェルノブイリに悲しい雨が降る / Dragon Ash 
10.MOSH UNDER THE RAINBOW / Hi-STANDARD


今週は新曲を中心ではなく、今改めて聴きたい楽曲を集めました。

ニュースで見聞きしている通り、ロシアがウクライナへ侵攻を始めて1週間が経ちました。 子供を含む死傷者が出ている事態に、胸がざわついて苦しくても、 自分自身の感情をうまく言葉にできませんでした。言葉を尽くしたところで、私ひとりの気持ちのアウトプットが、一体なんの力になるのか、正直わかりません。


今週は、モヤモヤした気持ちを引きずってしまったので、いつも通り「オススメしたい今週の10曲」ではなく、今まで出会ってきた音楽の力を借りて、自身の気持ちを整理する事にしました。

先に申し上げますが、このプレイリストと感想は、あくまで私個人のものです。 私の意見と、アーティストや作品は一切関係ありませんのでご了承ください。


10曲の中に、私がうまく言葉に出来ない、5つの想いをのせました。
「今起きている事を知る」
「自分がどう思うかを考える」
「自分の意見を持つ」
「声をあげて話し合う」
「平和を祈る」

今はひとりひとりが、自分の言葉で考えたり、対話をする時間が必要なのかもしれません。
この10曲が、なにかのきっかけになると嬉しいです。





 >>楽曲の解説<<


M1.低い飛行機 / みらん  

https://spincoaster.com/news/miran-share-new-single-hikui-hikouki  

2022.2.16 Release Single

今週の1曲目は、兵庫県在住のシンガーソングライター、みらん。映画の主題歌として書き下ろされた楽曲をセレクトしました。(この曲を含むデビューアルバムが3月16日にリリースです!)選曲している時、どんな楽曲が当てはまるか聴き比べて煮詰まっていたら、まるで楽曲に呼ばれたみたいに、ふっと彼女の歌が頭をよぎりました。アコギとシンプルなバンドアンサンブルに、凛と引き締まった歌声が調和し、言葉尻へ向けて音が柔らかくなっていく。聴けば聴くほど愛おしさが募るフォークソングです。プロデューサーがサニーデイ・サービスの曽我部恵一という点も超納得。この曲事体に社会的なメッセージはありませんが、「雷」という歌詞が、この後の楽曲にリンクするので1曲目に選びました。ここから始まる10曲を、恋を知った思春期の少女が主人公だと思って聴き進めてみてください。



M2.Hybrid / アナログフィッシュ  

https://1fct.net/releases/pecf-1031  

2011.9.7 Release Album「荒野」

続く2曲目は、1999年に結成したスリーピースバンド、アナログフィッシュ。2011年、東日本大震災が起きた半年後にリリースされたアルバム「荒野」よりセレクト(このアルバムは作品を通して社会へのメッセージを込めたプロテスト・ソングとなっており、今改めて聴いて欲しい作品でもあります)アルバムの5曲目に「戦争がおきた」というタイトルの曲があり、このアルバムと出会った時には、まさかリアルな体験として聴く日が来るとは思っていませんでした。テレビのニュースで見聞きする情報もどこかリアリティを感じにくい現代、その歌の歌詞と同じように、私の生活は変わらずに流れていて、感情が追いつかないまま聴いた、続く「Hybrid」の歌詞に、涙が出た事を覚えています。



M3.心のなかの悪魔 / くるり  

https://note.com/quruli/n/n575055439251  

https://antenna-mag.com/post-43047/

2020.5.27 Release Album 「thaw」

3曲目は、1996年結成のくるり。2020年にリリースされたアルバムよりセレクト。今回、くるりの曲をどうしても入れたかったのは、楽曲の解釈を聴き手に委ねて貰えるからです。この曲は最新アルバムを作ろうとしていたバンドが、2020年に起きたコロナという混乱の中で、どうにか前に進もうと生みだしてくれた、"未発表曲"を納めた作品の1曲目にあたります。2009年「魂のゆくえ」のレコーディング時に録った、一発録りのリハーサル音源。優々としたピアノの旋律と、生々しい歌声が描く"悪魔"とは、果たしてどんな存在なのでしょうか?ここで私が思う悪魔は「自分自身の無関心」ではないか?と感じました。いまこそ、無関心を手放して、一歩踏み出してみてはどうでしょうか。



M4.叫べ / RADWIMPS  

https://okmusic.jp/news/416823  

2009.3.11 Release 5th Album「アルトコロニーの定理」

4曲目は、2001年に結成したRADWIMPS。5枚目のアルバム「アルトコロニーの定理」からピックアップしました。「昨日の自分が今日の自分を作り明日の自分に繋がっていく」「そのために"目の前"を全力で生きよう」というメッセージに何度も勇気を貰いました。今回のプレイリストでは、楽曲タイトル「叫べ」にかけて「自分の言葉で対話する力を持とう」と上乗せさせて頂きます。意見なんて黙っている方が簡単だし面倒くさくないと、私はずっとそう思ってましたが。これからの未来、自分の意見を持たない限り、予想だにしていない面倒くさい事が”非常事態”として起きる可能性があります。いざという時に焦らない為に、自分の心の声を日々受け止めてあげたいと思いました。



M5.オレたちのすすむ道を悲しみで閉ざさないで / サンボマスター

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000074747.html

2017.5.10 Release 9th Album 「Yes」

2000年に結成したスリーピースバンド、サンボマスター。9枚目にリリースされたアルバム「Yes」より、先行シングルにもなった楽曲をセレクト。くるりとは真逆で、サンボマスターの魅力は「曲を聴いた全員に同じメッセージが確実に届く」という、言葉の明解さだと思います。この曲のメッセージはタイトルの通りですが、ワンピースに出てくるロビンの母・オリビアのセリフにもあるように「子供たちの生きる未来を、大人が勝手に諦める」なんて、そんなつまらない未来にはしたくない!という思いも込めました。ちょっと重くなりがちなテーマを、サンボマスターらしいハッピーなテンションで奏でてくれる1曲です。ちなみに「誰もキミの魂をーー」と各サビ毎に出てきますが、魂を奪われない為にも、誰かに委ねるのでなく"答えは自分で出す"という部分も、胸に響くものがあります。



M6.戦争はおわりにしよう / SEVENTEEN AGAiN  

http://www.ultra-vybe.co.jp/post/KKV-074.html  

2019.7.10 Release Album「ルックアウト」

大人世代のアーティストが続いたので、若いバンドの楽曲を紹介したいと思います。2003年に結成したロックバンド、セブンティーン・アゲイン。3年前にリリースされたアルバム「ルックアウト」の収録曲です。ギターボーカル・ヤブソンのクリアな歌と軽快なギター冴えるロッキン・ブルース。2019年当時、どうしてこんなタイトルの楽曲を書いたのか、"戦争"という言葉にどんな思いを込めていたのかは分かりません。それでも「ただ居場所がほしかった」「ただ君を失いたくなかった」というフレーズに、ズキッと胸が痛みます。




M7.今日の歌 / カネヨリマサル  

https://spice.eplus.jp/articles/292271 

2021.9.8 Release Single

続いては、2014年に結成、大阪を拠点に活動するスリーピース・ガールズバンド、カネヨリマサル。TVアニメ「Sonny Boy」の劇中歌として書き下ろされた楽曲をセレクト。ボーカル・ギター、ちとせみなの、甘酸っぱい歌声が沁みる青春ギターロック。歌詞の内容は、前述のサンボマスターとRADWIMPSの教えてを丁寧に汲み取って、アウトプットしたように、目の前の「今日」を全力で生きる、力強い姿が描かれています。SNSもインターネットも無かった私が子供の頃、こんなひたむきな楽曲と出会っていたら、もっと強い人間になれたのかも知れません。



M8.満月に吠えろ / チャットモンチー 

https://natalie.mu/music/news/63752 

2012.2.1 Release Single

続く8曲目は、2000年に徳島県で結成したチャットモンチー。2012年に橋本と福岡の2人編成となり、最初に発表されたシングル曲。元々はベーシストだった福岡がドラムに転向し、ボーカル・ギターの橋本と、2人が向き合うように演奏するMVを見ていると、覚悟の強さと、挑戦する事への情熱や興奮が伝わってドキドキする。この楽曲では「ー大丈夫はもう誰も言わない」というフレーズに、それぞれが今抱えている思いを乗せて貰えると嬉しいです。それにしても、えっちゃんの歌声は、なんでこんなに力強く、胸に響くんだろう。 



M9.チェルノブイリに悲しい雨が降る / Dragon Ash  

https://realsound.jp/2022/03/post-978218.html  

1997.2.21 Release Album 「THE DAY DRAGGED ON」

続いては、1997年にリリースされたDragon Ashのデビューアルバムより。このタイミングでこの曲を入れる事が問題にならないか?とずっと悩んでいました。不快に思われたら申し訳ありません。プレイリストに選んだ理由は、M1で鳴る「雷」と、この曲で降る「雨」を、10曲目のラストで「虹」に変えるというストーリーを作りたかったからです。私が初めてこの曲を聴いたのは今から23年前、現代の18歳にはどんな風に聴こえるのでしょうか? スリーピースで奏でる力強いギターロックで、がなるように歌う降谷建志の歌声から、社会的なメッセージと同時に、深い祈りを感じています。




M10.MOSH UNDER THE RAINBOW / Hi-STANDARD  

https://rockinon.com/blog/ro69plus/150322  

1999.6.30 3rd Release Album 「MAKING THE ROAD」

ラストを飾るのは1991年結成、日本のメロディック・パンクシーンのパイオニア、Hi-STANDARD。1999年にリリースされた3rdアルバムよりセレクト。1999年、恐怖の大王が降ってくるという予言の言葉はハズレ、降り続く雨も止む時を知る。英詞なのでニュアンスが違うかも知れませんが、"虹の下で輪に立って踊ろう、そしたらいい事が起きるかも!”と歌う、誰もが笑顔になれるよう、祈りを込めたハッピーソング。いつかのAir Jamでスタンド席から見たサークルモッシュの景色には、感動して号泣したと、友人のOi!パンクスは言ってました。コロナ前のように、隣人と肩を組んで笑い合うには、まだ時間が必要かもしれません。でもハイスタは教えてくれました、「自分を信じる事」「他人を愛する事」「未来を夢見る事」いま改めて心に留めておきたいと思います。



以上、今週のプレイリストでした。

来週は新譜をご紹介したいと思います。



※オフィシャルで動画が公開されていない楽曲は割愛しております

 

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