<PlayList #57> 2022.2.18 今週聴いて欲しい10曲

2022年2月第 3週  

今週のプレイリストはこちらの10曲!  


東京でも10度を下回ったり、まだまだ寒い今年の冬。
暖かいホットミルクを飲みながら、ゆったりと聴きたい楽曲を集めました。  


誰かと一緒に過ごしたり、離れた距離にいる誰かに思いを馳せたり、
歌の中にいる登場人物や、その物語に、ジワリと心が温まる10曲です。



1.Down By The River / MARTER
2.Talk / Asilo
3.25/8 / Cautious Clay
4.It's Alright / H 3 F
5.酸素 / ズカイ
6.Forever / Stereophonics
7.白 / 山内総一郎
8.帰り道 / 阿佐ヶ谷ロマンティクス
9.Over Now / Bialystocks
10.Pap Love! / 猫戦 


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>>楽曲の解説<<


"自然の光に包まれる暖かなアコースティック・ソウル" 

M1.Down By The River / MARTER

https://twitter.com/masateruyamauch/status/1488816399946760193?s=20&t=MCxtQXw_a9YoG1NZh03pcA 

2022.2.2 Release digital Single 

1曲目は、大自然の中で太陽の光に包まれているようなアコースティック・ソウルナンバー。10代からロサンゼルスで育ち、バークリー音楽大学を卒業。現在は日本を拠点とし<JAZZY SPORT>に所属するミュージシャン、山内将輝によるソロ・プロジェクト、マーテル。2曲入りの最新シングルより表題曲をセレクト。ジャケットのアートワークが示すように、川のほとりでゆっくりと昇る朝日を眺めているような情景です。リフレインするギターのリフに川のせせらぎや、凛とした自然の空気を感じ、鳥のさえずりさえ目に浮かぶ。力み過ぎず、囁くようなボーカルが、メロディーの抑揚を丁寧に捉え、ソウルミュージックとフォークソングを優雅に融合させた1曲。自身のTwitterで「春の訪れが待ち遠しいこの季節に聴いてもらいたい曲」と発信されている通り、春の陽気が待ち遠しくなる1曲(カップリング曲もおすすめ!)フジロックのFIELD OF HEAVENで聴きたいです。 



”2人で飲むコーヒーと、優しいBGM”

M2.Talk / Asilo  

https://spincoaster.com/news/asilo-release-new-single-talk https://www.uta-net.com/song/314094/ 

2022.2.9 Release digital Single 

続く2曲目は、2021年より本格始動したシンガーソングライター、峰清(ホウセイ)によるソロ・プロジェクト、アシロ。アレンジャーにShin Sakiuraを迎えた2ndシングルをセレクト。Asiloはコロナのステイホーム中に"ギターの練習"として弾き語り動画をSNSで公開し注目を集めたアーティスト。R&Bやポップスをルーツに、柔らかなアコギの音色が心地いいチルなメロディー。その静かに歌い出す冒頭から、感情が盛り上がっていくサビのフレーズも、彼の言葉が音楽になってしまったのでは?と思うほど滑らかで(歌詞先なのかも?)高音のファルセットがとても美しく、ほど良くウィスパーな歌声に魅了されます。物語は恋人とすれ違ってしまった葛藤を描いていますが、どうしてもコロナで会えない友達とか、離れた家族を思い浮かべて、センチメンタルな気持ちになる。歌詞にある"解け合うように"という表現が、直接会って話すことの本質を言い当てている様に思いました。 



”夢に溶け込む、極上のR&Bボイス”

M3.25/8 / Cautious Clay

https://tower.jp/article/feature_item/2020/06/02/0104  

2022.2.9 Release from「Deadpan Love (Deluxe)」

次に紹介するのは、聴いた瞬間に鳥肌が立った1曲。アメリカ・オハイオ州、クリーヴランド出身(現在はブルックリンが拠点)のR&Bシンガーソングライター、コーシャス・クレイ。2021年に発表したデビューアルバム「Deadpan Love」のデラックス・エディションに収録された新曲をセレクト。今週のテーマは「ホットミルクを飲みながら聴きたいチルサウンド」なのですが、この曲の為に付けたと言っていいくらい、眠る前にホットミルクを飲みながら聴いて欲しい。テイラー・スイフトや、ジョン・メイヤーからも支持を受ける彼の魅力は、なんと言っても声ではないでしょうか。シルクのような艶感と、極上の柔らかさに包まれ、このまま眠ってしまいそう。音数は少なく、リムショットが刻むゆったりとしたリズムと、フォギーなメロディーが更に夢心地にさせてくれる。"君の事を25時間8日間考えるよ"という言葉のセンスもおしゃれです。



”タイから届いた、カラフルなシティーポップ”

M4.It's Alright / H 3 F  

https://musiclaneokinawa.com/archives/musician/50067 https://genius.com/H-3-f-its-alright-lyrics 

2022.1.21 Release Album「UNEMPLOYMENT」 

次に紹介するのは、タイ・バンコクを拠点に活動する4人組バンド、H3F。今年1月にリリースされた彼らの2ndアルバムより、M3に続くBPMのゆったりとした楽曲をチョイス。ボーカル・ギターのテレキャスが奏でるメロウなイントロや、トランペットとトロンボーンを加えたバンドサウンドが心地よく。ポップスだけでなく、ファンクやダンスミュージックから抽出したグルーヴ感もあって、とても"今っぽい"チル・ポップスに仕上がってます。最近タイでシティー・ポップが流行っているとニュースで聴きますが、タイはメロディーの綺麗なポップ・アーティストが多くいるイメージです。(Phum Viphuritや、Part Time Musiciansとか)こういうバンドはぜひフジロックに来て頂きたい。



”星空ギターサウンド”

M5.酸素 / ズカイ

https://natalie.mu/music/news/465036  

https://www.uta-net.com/song/314127/  

2022.2.9 Release digital Single 

続いて紹介するのは、2013年に結成、大阪を拠点に活動する5人組バンド、ズカイ。7インチでリリースされたシングルが、このたび配信スタート。作詞作曲を手がけるボーカル・ギターのまんくものハイトーンな歌声が、3本のギターが奏でる浮遊感とマッチして、まるで星が降ってくるようなロマンチックな1曲。スピッツのギターフレーズをオマージュしているそうだが、どこか切なくも愛おしいそのメロディーは、一度聴いたら耳…というより、心から離れない。「お疲れ様」や「その気持ち分かるよ」みたいな、ありきたりな労いの言葉ではなく、傷つくほどに"君は優しいんだね"と、存在自体を許してもらえたような感覚に、じんわりと癒される。彼らは「この世にね、本当の大人なんていないんだよ。」というコンセプトを掲げてバンド活動をしており、他の楽曲も歌詞を見ながらじっくり聴き込みたいし、ライブにも行きたいです。



"大空を羽ばたく鳥のように"

M6.Forever / Stereophonics

https://skream.jp/news/2022/01/stereophonics_forever.php  

2022.1.25 Release digital Single 

続く6曲目は、結成より30年の節目を迎え、今年3月に12作目となるアルバムをリリースする、ウェールズ出身のロックバンド、ステレオフォニックス。アルバム収録曲となる新曲をセレクト。深みの効いたケリー・ジョーンズの歌声は、30年という時間の経過を感じさせず、メロディーを彩るハイポジションのギターのリフが美しい。コロナで自由に行動ができない生活を強いられながらも、苦境を乗り越えようと努力する人々、そのひたむきな思いを、大空を羽ばたく鳥のように壮大なメロディーで描いたエモーショナルな1曲。この曲のハイライトは2サビ終わりのCメロ、”Keep on keeping on til then I'll”と叫ぶシーン。"その時が来るまで頑張れ"というメッセージを、今改めて受け止めておきたい。



"額に入れて、部屋の真ん中に飾っておきたい曲"

M7.白 / 山内総一郎

https://natalie.mu/music/news/465268  

2022.2.11 Release digital Single 

1番おすすめしたい楽曲がこちら。フジファブリックのボーカル・ギターを担当する、山内総一郎。3月にリリースされる1stソロアルバムより、先行公開された新曲。2009年に急逝したバンドのフロントマン、志村正彦との思い出や、メッセージを綴った楽曲になっており、悲しく聞こえる音も、明るく聞こえる音も、色んな感情が散りばめられていて、胸を打つ楽曲になっている。この曲を聴いて、山内総一郎という"ボーカリスト"の凄さを改めて感じたのは、これほどパーソナルな内容なのに、彼のキャラクターは楽曲の中で見えてこない点。これは言葉の浸透力のせいだと思うが、”志村正彦”を知っている人も、知らない人も、この曲を聴いて思い浮かべるのは、リスナー自身の忘れたくない"誰か"の顔に置き換わる。聴く度に涙が浮かぶ、とても尊い曲です(2022年ベスト曲にノミネート)



"春の訪れを感じる、大人のAOR"

M8.帰り道 / 阿佐ヶ谷ロマンティクス

https://sensa.jp/news/20220120-asgy.html  

2022.1.19 Release 3rd Album「大人幻想」 

続いての曲は、2014年に結成した5人組バンド、阿佐ヶ谷ロマンティクス。3枚目となる最新アルバムより、M7から繋がる"歌モノ”の楽曲をセレクト。阿佐ヶ谷ロマンティクスは、早稲田大学の音楽サークル中南米研究会(シャムキャッツの夏目知幸も所属していたそうです)が起点となっており、カリブやジャマイカの音楽をルーツに、独自の日本語ポップスを生み出している。ボーカル・有坂朋恵のミュージカル女優の様な鮮明な歌声が、ピアノの音色によく馴染み、グルーヴのあるバンドサウンドとホーンの響きが冴える。アルバムの中でもAOR〜フュージョンに寄せた大人っぽい印象で、サビの華やかなメロディーが、気持ちを高揚させてくれる。春の訪れが待ち遠しくなる1曲です。



”この衝撃は、まだ始まったばかり”

M9.Over Now / Bialystocks 

https://tower.jp/article/feature_item/2021/12/15/0708
https://utaten.com/lyric/mi22011212/
2022.1.26 Release 1st EP「Tide Pool」 

今週のプレイリスト、後半に紹介するのは、映画監督としても活動するボーカル甫木元空が、自身の監督作品「はるねこ」で生演奏上演をした事をきっかけに結成した2人組バンド、ビアリストックス。既存の配信曲を含む5曲入りのEPよりセレクト。Bialystocksは、ROTH BART BARONに通じるフォーキーな歌声と、ジャズやソウルの要素をギターロックとブレンドしたオルタナティブなサウンドが魅力だが、最新EPの1曲目に収録されたこの曲は、一見するとストレートなポップソング。どんな事が起きても気に留めず「Over Now = 大丈夫」と言われているかの様で、無垢で着飾らない甫木の歌声がゆったりと展開する。ただ、それは途中までの話であり、間奏に現れる歪みの効いたギターソロから、欲と焦りが体中を巡る性急なサウンドに変化し、甫木のシャウトで物語を締めくくる。一貫した穏やかなリズムのせいか、その衝撃に高鳴る鼓動を私は押されられない。EPに収録された5曲はどの曲を聴いても"似ていない"ので、彼らの才能はまだ氷山の一角なんだと思います。「All Too Soon」の気怠い音も好き。



”太陽に透かしたペットボトルみたいにキラキラするよ"

M10.Pap Love! / 猫戦

https://natalie.mu/music/news/464081
2022.2.2 Release 1st Album「蜜・月・紀・行」 

ラストに紹介するのは、2022年上半期、"絶対に名前を覚えておいて欲しいバンド”=猫戦(ねこせん)。2018年に立命館大学の音楽サークル「ロックコミューン」で結成した5人組バンド(ロックコミューンはくるりや、キリンジも所属)これまで発表した楽曲を含む1stアルバムよりセレクト。「太陽に透かしたペットボトルみたい〜」というキャッチコピーは、最初にアルバムを聴いた時に感じたイメージそのままです(笑)。80年代のポップスをルーツに、ディスコやソウルの要素も取り入れた、歯切れのいいメロディーをギターとキーボードが支え、グルーヴを纏ったリズム隊が引き締める。ボーカル・原田美桜の力まない、キュートな歌声と、眺めている景色をそのまま言葉にした様なリリックが、まるで春を連れて来たと思わんばかりに、ポカポカとした気分を味わえる1曲です。 




今週も読んでくださってありがとうございます

皆様の週末がキラキラと輝きますように!(平日もキラキラしててね)


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